かかりつけ歯科医初診料における同意とは |
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| 最終更新日 2008/11/03 | |||
保険者機能を推進する会が平成16年11月に実施したアンケートで『「かかりつけ歯科医初診料」について、初診または再診の際に明確に同意したと意識している患者は約5%にとどまった』との報告がなされた。これを見るとあたかも『「歯科初診料」とかかりつけ歯科医初診料」の二つについて説明して同意を得る』ことが前提のようにみえるがはたしてそうなのであろうか?検証してみた。
ここでは「青本」から「同意」という文言が使われている部分を抜き出して検証の参考としたい。
★ その1
@歯周疾患継続治療診断料
初診から3ケ月以上経過し病状が安定している場合に、患者の同意を得てメインテナンス計画を策定し、患者に対して文書で情報提供した場合に算定
(3)保険医療機関等は,差額徴収治療を希望する患者に対し,事前に治療範囲,治療内容及び負担金額について明確かつ懇切に説明し,患者の同意を確認のうえ当該治療を行い,診療録にその旨記載するものであること。
# これは「メンテナンス計画の内容」に同意するという意味であろう。
★ その2
診療情報提供科(A)(月1回)
(1) 診療所である保険医療機関が,診療に基づき,別の診療所である保険医療機関での診療の必要を認め,これに対して,患者の同意を得て,診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合,又は病院である保険医療機関が,診療に基づき,別の病院である保険医療機関での診療の必要を認め,これに対して,患者の同意を得て,診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合(地域医療支援病院又は特定機能病院が,許可病床数が200床未満の病院である保険医療機関に対して患者の紹介を行った場合を除く。)に,紹介先保険医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定する。
# これは「別の診療所である保険医療機関での診療の必要を認め転医する」ことに同意するということであろう。
★ その3
平成14年4月4日 厚生労働省疑義解釈
問12 かかりつけ歯科医初診料を算定した場合、治療計画に基づく一連の治療が終了した日から起算して2か月以内は再診として取り扱うこととなっているが、外傷等により当初の治療計画の傷病とは異なる新たな疾患が生じた場合においては、新たにかかりつけ歯科医初診料を算定して差し支えないか。
答 新たな疾患が生じた場合においては、歯科初診料と同様の取り扱いで算定して差し支えない。なお、かかりつけ歯科医初診料の算定については、患者の同意を得て継続的な歯科医学的管理が必要な場合に算定する。
# 継続的な歯科医学的管理が必要であることに同意するということであろう。
★ その4
(かかりつけ歯科医初診料)
(1) かかりつけ歯科医初診料は、歯科診療におけるインフォームドコンセントを評価したものであり、主治の歯科医師が継続的な歯科医学的管理の下に歯科診療を行う旨を説明し、「注1」に規定する患者の同意を得るものとする。 (平14.3.8 保医発0308001)
注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方社会保険事務局長に届け出た保険医療機関において、初診時に患者の同意を得て、病名、症状、治療内容及び治療期間等に関する治療計画を策定し、患者に対し、その内容について、スタディモデル若しくは口腔内写真又はこれらに準ずるものを用いて説明した上で、文書により情報提供を行った場合に算定する。
(2) かかりつけ歯科医初診料は、地域の歯科医療担当者として、歯科治療の開始に当たり、患者への治療計画等の情報提供を踏まえた継続的な歯科医学的管理を行うかかりつけ歯科医を評価するものであり、算定に当たっては、患者又はその家族等(以下、「患者」とする。)に対して当該初診料の趣旨を十分説明し、その同意を得るものとする。(平14.3.8 保医発0308001)
(3) かかりつけ歯科医初診料を算定する場合には、治療開始にあたり、患者に同意を得た上で、治療計画の立案に際し必要に応じ検査、画像診断を実施し、治療計画等を患者へ効果的に説明するとともに、必要に応じて保健福祉サービスに関する情報を患者に積極的に提供する。(平14.3.8 保医発0308001)
# (1)において、かかりつけ歯科医初診料の算定要件として、主治医が継続的な歯科医学的管理が必要であると説明し、「注1」の同意を得ることが必要であるとされている。
# 「注1」とは、初診時に患者に「病名、症状、治療内容及び治療期間等に関する治療計画」について同意を取り、その内容について「スタディモデル若しくは口腔内写真又はこれらに準ずるものを用いて説明」し、「文書により情報提供」することが要件と思われる。
# (3)においては、「治療計画の立案に際し必要に応じ検査、画像診断を実施」することを同意のもとに行うということであろう。
★ 以上のその1〜4の同意において、「点数算定」の説明と同意を取らなければならないという解釈は一つとして存在しない。治療にしろ検査にしろ、「その必要性の説明」と「実施の告知」を行うのは当たり前であり、それに対して明確な拒否が無い限りそれは黙示の同意として正当な医療行為とみなされる。結果として生ずるのが点数算定という医療費の発生である。
と同様に、かかりつけ歯科医初診料についても、『主治医が継続的な歯科医学的管理が必要と認め、それを「所定の資料を使用して」患者に説明して「検査」「治療計画の作成」「治療」等に対する患者の同意をとって、かつ「文書によって情報提供」をした』結果発生する医療費に過ぎないのである。
したがって「歯科初診料」と「かかりつけ歯科医初診料」の2つについて説明し「どちらにしますか?」という同意をとるという意味では無いのである。
★ 逆に言うと、もし2つの初診料についての説明と点数の算定の同意をとるという解釈を正当化するのであれば、同等の文言でできている「診療情報提供料」の算定に際しては以下のような説明が必要だということになる。
主治医: 「X線を撮った結果、親知らずが骨の中に深く埋まっているので当院での抜歯は困難です。病院などの口腔外科での抜歯が望ましく、そちらに転医してはいかがでしょうか。もちろん直接口腔外科を受診して頂いても結構ですが、今までの状況を文書にして紹介状を書いてもかまいません。ただし、その場合には***点の医療費がかかりますが同意なさいますか?」
しかし、実際はそのように言うことは無いのは言うまでもない。患者が転医に同意した時点で診療情報を文書にして「依頼状(紹介状)」を発行するのは診療上の一つの流れであって、「診療情報提供料」という点数は結果的に発生するにすぎない。