レセプト開示の徹底に関する国会質問

 

最終更新日 2008/01/12  
   
       

カルテ・レセプト等診療情報開示の徹底に関する質問主意書(提出者  阿部知子)

■ カルテ・レセプト等診療情報開示の徹底に関する質問主意書

 医療情報の開示については厚生労働省が平成十五年九月十二日医政発第0912001号において「診療情報の提供等に関する指針」を示してきたが、本年四月の「個人情報の保護に関する法律」施行に伴い、医療機関等における個人情報保護のあり方に関する検討会において「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」が整備された。
 こうした状況のもとで患者、被害者、遺族からの診療情報開示の需要は一段と高まりを見せており、従来からの弊害であった密室性や隠蔽・改ざん体質が改められ、新たな形での医療者と患者の信頼関係が築かれることを強く希望するものであるが、残念なことにこれまでの開示事例では多くの問題が指摘されている。
 旧国立大学病院では旧来からの内規が運用され、開示を拒まれる例が発生している。大阪大学では医学部附属病院、歯学部附属病院ともに平成十三年に作成した規定を現在も運用しており、開示請求の度に患者や遺族は不利益を被っている。何故このような事態が生じているのか、早期の解消を図るべきと考え、以下質問する。

一 厚生労働省が平成十五年九月に通達した「診療情報の提供等に関する指針」(以下通達という)の徹底はどのような方法で図られてきたのか、示されたい。
二 大阪大学の医学部附属病院、歯学部附属病院は厚生労働省が通達を出した平成十五年以降に何故見直しを図らなかったのか、また今年四月には個人情報保護法が施行され、ガイドラインも示されているが、その中に遺族に開示する場合について前記通達での運用が示されている。このことからしても今年四月には通達に基づく見直しが図られるべきではなかったか。見直しの予定について明らかにされたい。
三 厚生労働省の前記通達の徹底は診療情報の開示を必要とする患者、被害者、遺族にとっては極めて重要である。特に高度医療や先端医療を担っている大学附属病院や、特定機能病院、国立病院等は従来の密室性を排し、診療情報の積極的開示を図り、信頼性を高めて行くことが重要である。今回大阪大学附属病院で判明した診療情報の提供に対する体制の遅れは極めて遺憾なことで、患者や被害者、遺族に他の医療機関で同じような不利益を与えないために、全ての国立病院及び国立医療施設と独立行政法人国立病院機構の全医療機関及び全ての大学附属病院が診療情報の提供に関して定めている規定は何年度作成のものかを明らかにされたい。
四 前記の項目について政府の見解を示されたい。また、前記通達に基づく見直しが図られていない医療機関に対しては、どのような方法で徹底を図られるのか政府の見解を示されたい。

 右質問する。


  内閣衆質一六三第八号
  平成十七年十月十八日

内閣総理大臣 小泉純一郎

衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員阿部知子君提出カルテ・レセプト等診療情報開示の徹底に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

■ 衆議院議員阿部知子君提出カルテ・レセプト等診療情報開示の徹底に関する質問に対する答弁書

一について

 厚生労働省においては、「診療情報の提供等に関する指針の策定について」(平成十五年九月十二日付け医政発第〇九一二〇〇一号厚生労働省医政局長通知)により、各都道府県知事に対して、「診療情報の提供等に関する指針」(以下「指針」という。)を通知し、管内の市町村(特別区を含む。)、関係機関、関係団体等への指針の周知並びに管内の医療従事者等への指針の周知の徹底及び遵守の要請を求めるとともに、社団法人日本医師会の会長等に対しても指針を通知し、会員に対する指針の周知の徹底及び遵守の要請を求めてきたところである。平成十五年九月十六日には、指針を同省のホームページに掲載している。
 また、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)の全面施行に向けて、同省においては、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインについて」(平成十六年十二月二十四日付け医政発第一二二四〇〇一号厚生労働省医政局長通知、薬食発第一二二四〇〇二号厚生労働省医薬食品局長通知及び老発第一二二四〇〇二号厚生労働省老健局長通知)により、各都道府県知事に対して、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)を通知し、指針の内容を踏まえた取扱いを求めること等を内容としたガイドラインの管内の関係機関、関係団体等への周知、指導等を求めてきたところである。

二について

 国立大学法人大阪大学からは、同大学の医学部附属病院及び歯学部附属病院の診療情報の提供に関する規程は、国立大学医学部附属病院長会議常置委員会、国立大学歯学部附属病院長会議常置委員会及び国立大学附置研究所附属病院長会議連絡協議会が共同で作成し、平成十一年二月十七日に各国立大学の附属病院長に通知した「国立大学附属病院における診療情報の提供に関する指針(ガイドライン)」(以下「国立大学病院指針」という。)に基づき、それぞれ平成十一年六月十七日及び平成十二年十一月二日に定めたものであり、その後、国立大学病院指針の改訂が行われなかったため、これらの規程の見直しを行わなかったと聞いている。
 国立大学法人大阪大学からは、今後、平成十七年七月十一日に同大学に設置した「情報開示等請求に係る検討ワーキング」において検討を進め、指針に基づいたこれらの規程の見直しを本年度中に行う予定であると聞いている。

三及び四について

 お尋ねのすべての国立の医療機関、独立行政法人国立病院機構の全医療機関及びすべての大学附属病院が診療情報の提供に関して定めている規程の作成年度について、把握しておらず、お答えすることは困難であるが、いずれにしても、医療機関における診療情報の適切かつ円滑な提供のため、指針の内容が十分に周知され、遵守されることは重要であると考えており、各種会議等様々な機会を通じて、指針の内容が十分に周知され、遵守されるよう努めてまいりたい。