レセプトの開示に関する通達

  最終更新日 2007/11/07

診療報酬明細書等の被保険者への開示
(平9.6.25 老企64・保発82・庁保発16)

 標記については、被保険者(被保険者及び被扶養者をいう。以下同じ。)の秘密の保護及び診療上の必要性の観点から、これまで慎重な対応が行われてきたところである。診療報酬明細書の開示に関する取扱については診療報酬明細書等を管理する保険者の判断によるものであるが、近年、被保険者から診療報酬明細書等の開示を求める要望が高まっていることに鑑み、被保険者へのサービスの充実を図る一環として、その取扱について、下記のとおりとりまとめたので、ご了知の上、貴管下健康保険組合、市町村、国民健康保険組合及びその他関係機関に対する周知徹底についてご配慮願いたい。
 なお、政府管掌健康保険及び船員保険の被保険者に係る診療報酬明細書等の開示については、おってその具体的な取扱いにつき社会保険庁関係課長から貴管下主管課(部)長あて通知する。

1 被保険者から(老人医療受給対象者についてはその者が居住する市町村の長。以下同じ。)に対し診療報酬明細書、調剤報酬明細書、施設療養費用及び老人訪問看護療養費・訪問看護療養費明細書(以下「診療報酬明細書等」と言う。)の開示(診療報酬明細書等の写しの交付を含む。以下同じ。)の求めがあった場合にあっては、以下の通り確認した上当該診療報酬明細書等を開示する。

(1) 診療報酬明細書等の開示を求める者と当該診療報酬明細書等に記載されている者とが同一であることを確認する。

(2) 保険医療機関、特定承認保険医療機関、老人保健施設、指定老人訪問看護事業者及び指定訪問看護事業者(以下「保険医療機関等」という。)に対して、当該診療報酬明細書を開示することによって本人が傷病名を知ったとしても本人の診療上支障が生じない旨を確認する。その際、保険医療機関等においては、主治医の判断を求める。

(3) 調剤報酬明細書に係る(2)の確認については、当該調剤報酬明細書に記載された保険医療機関等に対して行われる。なお、(2)の確認をとった上、当該調剤報酬明細書を開示する場合においては、当該調剤報酬明細書を発行した保険薬局に対しその旨通知を行う。

2 被保険者が未成年者若しくは禁治産者である場合の法定代理人又は被保険者の委任を受けた弁護士から被保険者本人に代わって当該被保険者本人に代わって当該被保険者に係る診療報酬明細書等の開示の求めがあった場合についても、以上の取扱に準ずる。

3 遺族からの開示の求めがあった場合についても、各保険者の判断において、社会通念に照らし適当と認められるときは開示して差し支えない。


政府管掌健康保険及び船員保険に係る診療報酬明細書等の開示の実施(通知) (平9・7・14庁保険発13)

 診療報酬明細書等の被保険者への開示については,平成9年6月25日老企第64号,保発第82号及び庁保発第16号により厚生省老人保健福祉局長・厚生省保険局長及び社会保険庁運営部長から都道府県知事あて通知されたところであるが,追って通知することとしていた政府管掌健康保険及び船員保険に係る診療報酬明細書等の開示についての具体的な取扱いを別添「診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領」のとおり定めたので通知する。
 ついては,社会保険事務所(船員保険取扱保険課所を含む。以下同じ。)における診療報酬明細書等の開示の実施に当たっては,個人のプライバシーの保護や診療上の問題に係る取扱いに十分配慮をしつつ上記通知によるほか、この取扱要領に基づき,その業務の円滑な実施に遺憾のないよう取り扱われたい。
なお、関係団体に対し、この取扱要領の周知方御配意願いたい。

(別 添)
診療報酬明細書等の開示に係る取扱要項

第1 目 的
 この要項は、政府管掌健康保険及び船員保険の診療報酬明細書(以下「レセプト」という。)の開示の依頼があった場合における取扱いに関し、その基本的事項を定め、もって個人のプライバシーの保護及び診療上の問題に係る取扱いに十分配慮しつつ被保険者等へのサービスの一層の充実を図るとともに、社会保険事務所におけるレセプトの開示業務の円滑かつ適正な遂行に資することを目的とする。

第2 開示対象レセプトの範囲
 開示め対象は,原則として過去5年間分の政府管掌健康保険及び船員保険に係るレセプト(老人医療に係るレセプトは除く。)とする。
 ただし、当分の間は,レセプトの有無の確認作業を考慮し、平成5年9月22日庁文発第2799号「診療報酬明細書等の点検業務の効率化について」によるレセプト点検業務の効率化完了後の平成7年1月診療分以降に係るレセプトを対象とするが、個々の実情に応じ可能な範囲において適切な対応を図る。

第3 開示依頼対象者の範囲
 個人のプライバシーの保護を図る観点から、次に掲げる者に限り開示の依頼に応じる。

1 被保険者等
(1) 被保険者及び被扶養者本人(被保険者であった者及び被扶養者であった者を含む。ただし、死亡している者を除く。以下「被保険者」と言う。)
(2) 被保険者が未成年者又は禁治産者の場合における法定代理人
(3) 被保険者からレセプトの開示依頼に関する委任を受けた弁護士

2 遺族等
(1) 被保険者が死亡している場合にあっては、当該被保険者の父母、配偶者又は子(以下「遺族」という。)
(2) 遺族が未成年者又は禁治産者の場合における法定代理人
(3) 遺族からレセプトの開示依頼に関する委任を受けた弁護士

第4 開示依頼の受付社会保険事務所
 開示の依頼があった場合は,依頼者の利便性を考慮し、いずれの社会保険事務所でも受付する。

第5 業務処理方法

1 被保険者等からの開示依頼の場合
(1) 開示依頼に係る書類の受付
  開示依頼書の受付に当たっては、依頼者の本人確認を厳格に行う必要があることから,依頼者本人の釆所を求め、「診療報酬明細書等の開示依頼書」以下「開示依頼書」という。)(別記様式1)を提出させる。
 なお、当該依頼者に対し、別紙「診療報酬明細書等の開示を依頼される方へ(お知らせ)」(略)を必ず配布することともに、次に掲げる事項を十分説明し理解を求める。

@ 依頼者の本人確認の必要性
A 保険医療機関等に対する事前確認の必要性
B 保険医療機関等が開示に同意しなかった場合については開示でき無い旨
C 開示依頼のあったレセプトが存在しない場合については開示できない旨
D 診療内容に係る照会については対応できない旨
E 交付の方法
F 交付までの標準的な所要日数について
G 開示依頼に必要な書類について
H レセプトには必ずしも診療内容全てが記載されているものではない旨

(2) 依頼者の本人確認方法
 依頼者の本人確認は,以下に掲げる書類(有効な原本に限る。写しは不可。)の提出又は提示を求めて確認する。
 なお,提示をもって確認した場合には、原則として提示された書類の写しを取るものとし、その際にほ本人の了解を得る。

@ 被保険者による開示依頼の場合
 下記ア又はイに掲げる書類で確認する。また、婚姻等によって、開示依頼時の氏名が診療時の氏名と異なる場合には、旧姓等が確認できる書類の提出又は提示を求めて確認する。

ア (略)
イ (略)

A 法定代理人からの開示依頼の場合
 法定代理人(依頼者)の本人確認は、


以下略

(3) 開示依頼書の受理 (略)

(4) 保険医療機関等への照会
 レセプトの開示に当たっては、開示することによって本人が傷病名等を知ったとしても本人の診療上支障が生じないことを事前に主治医に対して確認する。
 この確認に当たっては,「診療報酬明細書等の開示について(照会)」(別記様式2)に回答期限(発信日より14日間)を記入し,「診療報酬明細書等の開示について(回答)」(別記様式3)(略)、開示依頼のあったレセプトの写し(以下「コピーレセプト」という。)及び切手を貼付した返信用封筒を添えて、当該レセプトを発行した保険医療機関等に対し、レセプト開示の適否について照会する。
 また,レセプト開示の適否については当該レセプトを開示することにより本人の診療上支障が生じない場合については「開示」、診療上支障が生じる部分を伏して開示する場合については「部分開示」、当該レセプトを開示することにより診療上支障が生じる場合については「不開示」と区分する。
 なお、回答期限が経過しても回答が無い場合については、当該保険医療機関に対し電話等により回答の要請をするなど適切な対応を図る。

(5) 開示・部分開示又は不開示の決定
 保険医療機関等より、当該レセプトについて前記(4)の回答があった場合にあっては、その回答に従って開示、部分開示又は不開示を決定する。
 また,保険医療機関等より部分開示の旨回答があった場合にあっては、当該不開示部分を伏したうえで開示する。
 なお,次に掲げる場合にあっては、当該レセプトについては開示の取扱いとする。

@ 保険医療機関等に対し照会を行った際に示した回答期限内に当該保険医療
  機関等から回答がなかった場合において,電話等により回答の要請をしてもなお回答が得られないとき。(ただし,主治医と連絡中である等遅延に相当な事由が認められる場合を除く。)

A 当該保険医療機関等の廃止等の事情により、保険医療機関等に対して前記(4)の照会を行うことができない場合。
 
B 照会の結果、送達不能で返戻された場合において、当該保険医療機関等を管轄する都道府県保険主管課(部)に確認してもなお当該保険医療機関等の所在が確認できないとき。

(6) 調剤報酬明細書の取扱いについて

調剤報酬明細書(以下「調剤レセプト」という。)について開示の依頼があった場合は、当該調剤レセプトに記載された保険医療機関等に対し前記(4)の照会を行い,(5)の決定を行う。なお,当該調剤レセプトを開示する場合においては,当該調剤レセプトを発行した保険薬局に対し、「調剤報酬明細書の開示について(お知らせ)」(別記様式4)匠略訝によりその旨を速やかに連絡する。

(7) 開示又は部分開示の場合の連絡及び交付方法


@ 窓口交付を希望した場合

ア.依頼者への連絡
 開示又は部分開示の決定を行ったときは、「診療報酬明細書等の開示についてのお知らせ」(別記様式5)(略)により速やかに依頼者に連絡する。この場合「親展」扱いで郵送すること。
 なお,当該「診療報酬明細書等の開示についてのお知らせ」を発送した日から1カ月経過しても来所(連絡)がない場合は,交付用コピーレセプトを破棄して差し支えない。


イ.交付を行う際の依頼者本人であることの確認
 先に依頼者あて送付した「診療報酬明細書等の開示についてのお知らせ」の提示を求め、前記(2)に準じて本人確認を行う。
 ただし,受付時に本人確認の手段として提出された書類又は提示された書類の写しがある場合には、それにより、依頼者本人であることの確認を行っても差し支えない。

ウ.コピーレセプトの交付
 コピーレセプトの交付に当たっては、当該交付用コピーレセプト(1部に限る。)に「社会保険事務所」及び「開示日」を押印し,交付する。なお、交付の際は、受領者(依頼者)から開示依頼書の右下欄に署名を受ける。


A 郵送による交付を希望した場合

ア.依頼者への連絡及び交付
 開示又は部分開示の決定を行ったときは,「診療報酬明細書等の開示についてのお知らせ」(別記様式6)(略)に「社会保険事務所」及び「開示日」を押印した交付用コピーレセプト(1部に限る。)を添付のうえ、速やかに依頼者に交付する。
 なお,この場合、開示依頼書の依頼者欄の「住所」欄に記載された住所あてに「親展」扱いで送付する。

イ.返戻分の取扱い
送達不能で返戻された交付用コピーレセプトは、返戻された日から1カ月経過しても釆所(連路)がない場合は、破棄して差し支えない。

(8) 不開示の場合の取扱い
  不開示の決定を行ったときは,「診療報酬明細書等の不開示について」(別記様式7)(略)により速やかに連絡する。
 なお、この場合、開示依頼書の依頼者欄の「住所」欄に記載された住所宛に送付する。

(9) 不存在の場合の取扱い

 開示の依頼があったレセプトについて、調査してもなおその存在が確認できない場合は「不存在」とし、「診療報酬明細書等の不存在について」(別記様式8)(略)により速やかに依頼者に連絡する。
  なお、この場合、開示依頼書の依頼者欄の「住所」欄に記載された住所宛に送付する。

2 遺族等からの開示依頼の場合
 遺族等から開示の依頼があった場合については、前記1「被保険者等から開示依頼の場合」における取扱い(前記1(1)「開示依頼に係る書類の受付」の依頼者に説明する事項のうちA及びB、(4)「保険医療機関等への照会」、(5)「開示、部分開示又は不開示の決定」、(6)「調剤報酬明細書の取扱いについて」並びに(8)「不開示の場合の取扱い」を除く。)に準じ開示の依頼に応じる。
。この場合において、これらの規定中「被保険者」とあるのは「遺族」と読み替える。 
 また、遺族等についての本人確認の際には、前記1(2)に掲げた書類による確認に併せて、当該被保険者の死亡の事実及び被保険者の遺族であることを次に掲げる書類のうち少なくとも一以上の書類の提出又は提示を求めて確認する。
 ア.戸籍謄本(抄本)
 イ.住民票(除票)
 ウ.死亡診断書
 なお,コピーレセプトを交付する場合においては、当該保険医療機関等(調剤レセプトを開示する場合においては保険薬局も含む。)に対し「診療報酬明細書等の開示について(お知らせ)」(別記様式9)(略)によりその旨を速やかに連絡する。

3 標準業務処理期間

(1) 開示依頼書を受理してから開示等の連絡及び交付に至るまでの業務処理期間は、1カ月程度を目途とする。
(2) 前記(1)の期間を超える場合には、依頼者に「診療報酬明細書等の開示について(遅延のお知らせ)」(別記様式10)(略)によりその旨を連絡し、理解を得るよう努める。
 「レセプト開示受付・処理経過簿」の整理
 開示依頼書の受付から開示等の連絡及び交付に至るまでの処理経過については、その都度「レセプト開示受付・処理経過簿」(別記様式11)(略)に記載し,進捗状況を把握する。

第6 開示に係る業務区分

 開示依頼書を受け付けた社会保険事務所(以下「受付社会保険事務所」という。)と当該レセプトを管理している社会保険事務所(以下「管理社会保険事務所」という。)が異なる場合の業務区分は次のとおりとする。

1 受付社会保険事務所の業務
(1)開示依頼書の受理
(2)依頼者の本人確認
(3)管理社会保険事務所へ開示依頼があった旨の連絡(開示依頼書の写しを送付)
(4)管理社会保険事務所よりコピーレセプト及び保険医療機関等からの回答書等の受理
(5)保険医療機関等(遺族等に対して開示する場合)及び保険薬局へ開示の連格
(6)依頼者への連絡及びコピーレセプトの交付
(7)関係書類の整理保管
(8)実施状況の報告

2 管理社会保険事務所の業務

(1) 受付社会保険事務所より回付された開示依頼書の写しの受理
(2) 開示依頼レセプトの抽出
(3) 保険医療機関等への照会(コピーレセプト添付)
(4) 開示・部分開示又は不開示の決定(不存在を含む)
(5) 受付社会保険事務所へコピーレセプト及び保険医療機関等からの回答書等の送付
(6) 関係書類の整理保管
(7) 実施状況の報告

第7 関係書類の整理保管
 レセプト開示に係る一連の関係書類は、受付日毎に整理し保管する。
なお,関係書類の保存期間については10年とし、文書処理済(完結)となった年度の翌年度から起算する。

第8 開示業務担当部署
 レセプト開示に係る業務は,個人データを直接取り扱うものであり,かつ,依頼者と個別の対応を行う業務であることから,原則として、医療給付担当課(社会保険給付専門官を含む。)においてこれを行うものとする。

第9 実施状況報告
 毎年、前年度分の「レセプト開示受付・処理経過簿」の写しを4月末日までに,都道府県保険主管課(部)を経由のうえ,社会保険庁運営部保険指導課長あて報告する。
 なお、この場合,都道府県計としての集計作業は要しない。

第10 帳票の送付
 レセプト開示に係る業務に必要な帳票(別記様式1・11)及び別紙については、別途送付することとしている。