平成12年度医療監視 |
最終更新日 2007/11/07 |
医薬発第547号
健政発第636号
平成12年5月24日
各都道府県知事
各政令市長 殿
各特別区長
厚生省医薬安全局長 印
厚生省健康政策局長 印
平成12年度の医療法第25条の規定に基づく立入検査の実施について
標記については、「医療監視要綱」(平成10年9月8日医薬発第811号・健政発第990号医薬安全局長・健康政策局長連名通知)を参考に実施されていることと思慮するが、本年度の実施に当たっての留意事項を下記のとおりまとめたので参考とされたい。
なお、医療法上適正を欠く等の疑いのある医療機関については、「医療監視の実施方法等の見直しについて」(平成9年6月27日指第72号健康政策局指導課長通知)を参考とされたい。
おって、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4の規定による技術的な助言であることを申し添える。
記
1 医療従事者の確保等について
(1)医師、看護婦等の標準人員の充足状況の検査は、次の方法により行う。
ア 職員名簿、出勤簿、タイムカード、勤務割表、労働者名簿、賃金台帳その他の帳簿書類を相互に照合する。また、非常勤職員の雇用契約の確認を行う。
イ 複数の医療施設を開設している医療法人等の病院については、立入検査を同日に実施する等工夫し、病院間で名簿を照合し、医療従事者の実態の把握に努める
(2)医療従事者が著しく不足している医療機関に対しては、具体的な改善計画を提出させ改善状況を追跡調査する等により指導するとともに、新規入院の抑制、医療従事者に見合った範囲に入院患者をとどめる等指導し、保険担当部局とも連携を密にして対処する。
また、看護婦等について標準数を著しく下回っている(充足率が70%未満)医療機関に対しては、看護婦等の配置及び業務の改善に関する計画の策定等を行う看護婦等確保推進者を設置するよう指導する。
【参考】
「看護婦等の人材確保の促進に関する法律」(平成4年6月26日法律第86号)
「看護婦等の人材確保の促進に関する法律の看護婦等確保推進者に係る留意事項について」(平成4年10月21日指第74号・看第33号健康政策局指導課長・看護課長連名通知)
(3)無資格者による医療行為の防止については、医療機関に対し採用時における免許証原本の確認の励行を指導するとともに、無資格診療等に係る通報等があった場合には直ちに検査を実施し、無資格者による医療行為が行われていることが明らかになった事例については、刑事訴訟法第239条の規定により告発するなど厳正に対処する。
【参考】
「無資格者による医業及び歯科医業の防止について」(昭和47年1月19日医発第76号医務局長通知)
(4)病室外収容又は病室の超過収容(臨時応急のため収容する場合を除く)等、直ちに是正すべき事項がある場合には、是正を指導するとともに、医療機関に具体的な改善計画を提出させる。なお、履行されない場合には、医療法に基づく改善命令等により厳正に対処する。
(5)療養型病床群を有する診療所への定期的な立入検査を実施するとともに療養型病床群を有する診療所以外の診療所についても、必要に応じ立入検査を実施する。なお、実施していない都道府県等にあっては、その実施に努める。
2 開設者の確認及び非営利性の確認について
医療機関の運営に第三者が関与している疑いのある事例が発生しているが、これは医療法の根幹にかかわる重大な問題であり、このような事例に係る通報等があった場合には、厳正に対処する。
【参考】
「医療機関の開設者の確認及び非営利性の確認について」(平成5年2月3日総第5号・指第9号健康政策局総務課長・指導課長連名通知)
3 医療機関に関する広告について
医療法第69条及び平成10年8月28日厚生省告示第224号に定める事項以外の事項を広告しているものに対しては」厳正に対処する。
4 防火・防災対策について
医療施設の防火、防災安全対策は患者を入院させている等施設の特有な事情を考慮し、特に人命尊重の見地から指導する。特に災害に際し、医療機関に災害救助法が適用された場合には、医療機関は地域の被災者の医療救護活動や収容等について積極的に対応する責務を負うことになるので、その使命が達せられるように、保健所は常に地域の医療機関や医師会等と連絡をとっておく。
また、医療機関が自ら被災することを想定して防災マニュアルを作成することが有用であり、医療機関がマニュアルを作成するに際し、保健所はその作成を支援する。
【参考】
「医療施設における防火・防災対策要綱の制定について」(昭和63年2月6日健政発第56号健康政策局長通知)
「病院防災マニュアル作成ガイドライン」平成7年8月29日「阪神・淡路大震災を契機とした災害医療体制のあり方に関する研究会」作成)
5 院内感染防止対策について
院内感染防止対策は、医療施設全体として取り組み、感染予防に関する原則的な注意事項を実行することが必要であり、医療機関が適切に対処するよう周知する。
【参考】
「医療施設における院内感染の防止について」(平成3年6月26日指第46号健康政策局指導課長通知)
「バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対する院内感染防止対策について」(平成9年4月23日指第41号・健医感発第51号健康政策局指 導課長・保健医療局エイズ結核感染症課長連名通知)
「結核の病院内感染の防止等について」(平成9年8月20日健医感発第12号・医薬安第20号保健医療局結核感染症課長・医薬安全局安全対策課長連名通知)
「透析医療機関における院内感染対策の推進について」(平成12年2月25日健医疾第19号・医薬安第40号・医薬監第18号保健医療局エイ ズ疾病対策課長・医薬安全局安全対策課長・監視指導課長連名通知)
6 診療放射線等の管理について
診療放射線の安全管理については、紛失等の事故が起きていることから、関連通知に基づき、その使用、管理について現行法令を遵守するよう指導するとともに、職員の教育訓練の実施についても指導する。
また、毒劇物及び向精神薬等の医薬品の適正な保管管理についても、近時の薬物を使用した犯罪の多発に鑑み、これらの医薬品の盗難防止等について一層の周知徹底を図る。
【参考】
「毒劇物及び医薬品の適正な保管管理等の徹底について」(平成11年1月13日指第1号健康政策局指導課長通知)
「向精神薬に係る適正な保管管理及び販売等の徹底について」(平成11年1月13日医薬麻第31号医薬安全局麻薬課長通知)
「診療用放射線照射器具の安全管理の再徹底について」(平成11年12月10日医薬安第153号・医薬監第205号医薬安全局安全対策課長 ・監視指導課長連名通知)
7 医療廃棄物の適正処理について
医療廃棄物のうち感染を生ずるおそれがある感染性廃棄物については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和45年12月25日法律第137号)を遵守するとともに関連通知に基づき、適正に処理されているか確認する。
【参考】
「感染性廃棄物の適正処理について」(平成7年4月14日指第25号健康政策局指導課長通知)
「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」(平成4年8月18日「感染性廃棄物の適正処理について」の別添)
8 院内の事故防止について
医療従事者の過誤による事故等の防止については、従来から従事職員の教育又は研修を通し対策を図っていただいているところであるが、昨今、医療事故等が相次いでいることに鑑み、3月22日に厚生省において医療安全対策連絡会議を開催したところであり、貴職においても更に事故等の発生防止に万全を期すよう、注意を喚起する。
特定機能病院については、4月1日に医療法施行規則の一部改正が行われ、@安全管理のための指針の整備、A安全管理のための医療事故等の院内報告制度の整備、B安全管理のための委員会の開催、C安全管理のための職員研修の開催により安全管理のための体制を確保することとし、一般の病院以上に安全管理の体制確保が求められることとなり、その改正の趣旨に基づき、所要の体制整備の状況を確認するとともに、その運用について適切な指導を行う。
また、自家発電機を保有している医療機関にあっては、停電が発生した場合に、自家発電装置が作動しないことのないよう、電気事業法第42条第1項の規定に基づき所轄通商産業局に届け出ている保安規程により、自家発電設備の保守・点検を実施し、事故防止に万全を期すよう周知徹底を図る。
【参考】
「診療の用に供するガス設備の保安管理について」(昭和63年7月15日健政発第410号健康政策局長通知)
「患者誤認事故予防のための院内管理体制の確立について」(平成11年2月2日総第8号健康政策局総務課長通知)
「患者誤認事故防止方策に関する検討会報告書」の概要(平成11年5月28日総第22号健康政策局総務課長通知)
「血液製剤の使用指針及び輸血療法の実施に関する指針について」(平成11年6月10日医薬発第715号医薬安全局長通知)
「医療法施行規則の一部を改正する省令の施行について」(特定機能病院制度の見直し)(平成12年2月4日健政発第96号健康政策局長通知)
「医療施設における医療事故防止対策の強化について」(平成12年3月31日健政発題408号・医薬発第363号、健康政策局長・医薬安全局 長連名通知)
9 食中寺対策について
食中寺発生防止に万全を期すよう注意の喚起を行う。食中毒の発生を把握した場合には食品保健部門との連携を図り適切に対処する.
また、食中毒発生時における患者への給食の確保等について検討を行うよう指導する。
【参考】
「医療機関における食中寺対策について」(平成11年8月25日衛食第117号・医薬安第101号・医薬監第90号生活衛生局食品保健課長・ 医薬安全局安全対策課長・監視指導課長連名通知)
10 職員の健康管理について
全職員が、関係法令に基づいた定期健康診断を受診するよう指導する。
特に、結核については、医療機関や施設における結核集団感染が増加していることから、「結核院内(施設内)感染予防の手引きについて」(平成11年10月8日健医感発第89号保健医療局結核感染症課長)を参考に職員の健康管理を徹底するよう指導する。
11 立入検査結果における対応等について
立入検査の結果、不適合・指導事項を確認したときは、不適合・指導事卑根拠法令及び不適合・指導理由を文書で速やかに指示し、その改善の時期、方法等を具体的に記した改善計画書を期限をもって提出させ、その改善状況を逐次把握する。
なお、特に悪質な事案に対しては、法令に照らし厳正に対処する。
12 その他
(1)系列病院及び同系列と見なしうる医療機関への医療監視については、従来統一監視として実施してきたところであるが、今後は、各都道府県等において検査日を統一して、同一法人が開設する医療機関を所管する他の都道府県等と連携を密にし、引き続き厳正な対応を行う。
(2)今後の行政上の参考に資するため、都道府県知事が医療法上の処分を行おうとする場合は健康政策局指導課へ、医療機関において重大な医療関係法規の違反若しくは管理上重大な事故(多数の人身事故、院内感染の発生、診療用放射線器具等の紛失等)があった場合又は軽微な事故であっても参考になると判断される事案については、その概要を医薬安全局監視指導課へ情報提供していただくようお願いする。