診療報酬の地域差撤廃について

 

最終更新日 2007/11/07

● 診療報酬の地域差撤廃について  
                 (昭和三八年八月三〇日 保発第二七号)  
                 (各都道府県知事あて 厚生省保険局長通知)  
 今般、社会保険における診療報酬の地域差を撤廃するため、「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法」(昭和三十三年六月厚生省告示第百七十七号。以  
下この通知において「点数表告示」という。)の一部改正が昭和三十八年八月二十八日厚生省告示第三百五十七号をもつて告示され、また、これに伴つて所要の整理を行な  
うため、関係告示三件の改正も同日付けで告示され、それぞれ九月一日から実施されることとなつたので、左記事項に御留意のうえ、関係方面にこの旨の周知を図るとと  
もに、適正な運用に遺憾のないよう十分に配意されたい。  
     記  
第一 改正の趣旨及び経過  
 1 診療報酬の地域差は昭和十九年五月から設けられ、幾多の変遷を経て今日に至つたが、次の理由からこれを撤廃することとし、皆保険下における医療内容の向上に  
資することが適当と考えられた。  
  (1) 皆保険下においては、とくに医療の機会均等を図る必要があるが、このためには、社会保険における診療報酬の面においても、医療機関の都市集中を助長する  
ような要因を排除することが要請されること。  
  (2) 地域差を設けた戦中又は戦後の事情と今日のそれとの間には著しい変化があり、特に医業経営の実情からみて、これを存置すべき理由に乏しいこと。  
 2 地域差撤廃による医療費への影響は、約百十八億六千万円(九月以降分)の増と推計されるので、昭和三十八年度当初予算に国庫負担(補助)所要額として総額三  
十八億二千万円(国民健康保険における被保険者の保険料負担の増加分に対する特別対策費八億七千万円を含む。)が計上された。  
 3 九月一日から地域差撤廃を実施に移すため、八月十二日、中央社会保険医療協議会にこれを諮問したが、同協議会においては、八月十七日、二十四日及び二十六日  
の三回にわたつて審議を重ねた結果、二十六日に原案を適当と認める旨の答申を行なつたので、八月二十八日に点数表告示を改正するとともに、関係告示三件も同時に改  
正し、それぞれ九月一日から適用することとなつたものである。  
第二 改正の概要  
  今回改正の行なわれた告示及びその改正内容の概要は次のとおりである。  
 1 点数表告示の改正  
   保険医療機関の診療報酬については、改正前の別表第三に掲げる地域(甲地)とその他の地域(乙地)の別を廃止して、すべて甲地における算定方法と同様の方法  
により算定することとなつたこと。すなわち  
  (1) 診療報酬点数表(甲)又は歯科診療報酬点数表については、これにより算定した額にその百分の五に相当する額を加算して算定することとなつたこと。  
  (2) 診療報酬点数表(乙の一)及び診療報酬点数表(乙の二)については、後者を削除し、前者を「診療報酬点数表(乙)」として、これにより算定することとなつ  
たこと。  
    また、診療報酬の地域差撤廃に伴い、これとの均衡を図るため、別表第六調剤報酬算定表に掲げる調剤料のうち、内用薬(一日一剤につき)の九円を九・五円に  
改めたこと。  
 2 慢性疾患並びに特定の薬剤、治療材料等及びその価格(昭和三十三年六月厚生省告示第百七十九号)の改正並びに特定疾患及び特別食(昭和三十六年十一月厚生省  
告示第三百九十号)の改正  
   診療報酬点数表(乙の一)が診療報酬点数表(乙)と改められ、診療報酬点数表(乙の二)が削除されたことに伴い、所要の整理を行なつたこと。  
 3 日雇労働者健康保険法の規定による一部負担金の額(昭和三十二年四月厚生省告示第百二十二号)の改正  
   日雇労働者健康保険法の規定による一部負担金の額は、医療機関の所在地が甲地にあるときは五十円、乙地にあるときは四十六円となつていたが、これを一律に五  
十円に改めたこと。  
第三 留意事項  
 1 改正後の点数表告示は、昭和三十八年九月一日以後に行なわれる療養に係る費用の額の算定について適用されるものであつて、八月三十一日までに行なわれた療養  
に係る費用の額は、改正前の点数表告示によつて算定されるものであること。  
 2 本年三月一日以後に改正前の点数表告示第一号ただし書の規定により申し出た保険医療機関については、本年九月一日から昭和三十九年三月三十一日までは、改正  
後のただし書の規定により申し出たものとなること。従つて、特に、これに関する都道府県の公示等を改める必要はないこと。  
 3 点数表告示第六号に定める療養担当手当の額は、診療報酬点数表(甲)又は歯科診療報酬点数表において百分の五を加算する対象とはならないものであるから、診  
療報酬請求書及び同明細書の記載上、誤りのないようにすること。  
 4 従来の疑義解釈通知等において、診療報酬点数表(乙の一)及び同(乙の二)として示されているものは、それぞれ該当する箇所について診療報酬点数表(乙)と  
読み替えて取り扱つて差し支えないこと。  
 5 点数表告示の今次改正に伴い、「保険医療機関及び保険薬局の療養の給付に関する費用の請求に関する省令」及び「療養取扱機関の療養の給付に関する費用の請求に  
関する省令」についても所要の整理を行なう必要があるが、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律施行規則等とともに、近く、まとめて改正される予定であること。